2009.01.21    「100年ものの天カラ」   荒井 久
 
 
昨日、川上村の藤原忠彦村長のご紹介で。
建築家で横浜国立大学大学院教授の飯田善彦さんにお会いした。

川上村林業総合センターを地元のカアマツで建築設計した方だ。
後に建築学会賞を受賞したという。

「センターの前に、100年以上経ったカラマツをボンと立てたんだよね」
「あれが象徴なんだ」と。

カラマツはよじれ、ねじれが嫌われ。
最近では建築材として評価されなかった。

ところが、飯田教授の説。
カラマツは50年ほどはねじれながら育つ。
次の50年は、今度は逆にねじれなら育つ。
そして100年経つと。
まったく、ねじれなく育つ。
だから、100年ものを使えば、ねじれは無い。

なにやら急に。
カラマツに親近感を覚えてしまった。
僕も100年も生きればねじれは無くなるかも。


信州・長野で育った僕たちにカラマツはお馴染みだ。
ほとんどが植栽されたものだが。

山の上の方に行くと、天然物がある。
僕らは天カラと呼んだ。
100年もの。
そんな気持ちで見たことは無かった。
ただただ、寒さをしのぎ、毎年わずかしか育たない。
芽吹きも芽と芽の間が狭く。
芽が詰んでいるのが天カラの特徴だ。
活け花に使うと美しい。
幹に苔でも生えていれば、なおさら美しい。

林業総合センターを作った時。
中央に大きなカラマツの柱を並べた。

その柱は、川上村の村人から寄付されたものだ。
昔、夢を託して育てた、それぞれのカラマツ。
長らく、市場が悪くて出せなかったが。
ようやく今、脚光を浴びて来た。

柱には寄付された方の名前が刻まれているという。

そして今。
ねじれを修正する技術や、ヤニを抜く技術等が急速に進んだ。

藤原村長によれば。
昨年からカラマツの育苗の仕事も始まったという。
それに必要な技術と道具を持つ老人会のメンバーが立ち上がったのだそうだ。

その昔。
北海道や東北や、もちろん信州内でも。
カラマツの苗はすべて川上村産だったそうだ。

写真は昨年完成した川上村立中学校校舎。
地元のカラマツで建築した。

 
      
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