2005.08.01    「時間をいただく有り難さ」   荒井 久
 
 
本作りは本当に手間ひまがかかる。まずは執筆にかなりの時間を要するのだが、さらには、編集にもかなりの手がかかる。

読んでも読んでも誤字脱字が湧き出てくるから、不思議だ。しかも、この表現でいいのかどうか、考え始めたらきりがない。

ある程度の思い切りは必要なのだが、結局、最後は時間との勝負になる。「時間がきたから仕方ない」という諦め方である。だが、世の中のほとんど全ては、そうやって時間が仕切ってきたように思う。

手に塩を掛けて作った本を世に送り出すとき、思いは読者に向かう。1日に日本だけで平均400冊もの単行本が出版されるという時、送り出す本を読者が手にとって下さり、さらに読んでくださることの有り難さ。

考えてみれば、1冊読むのに5時間かかるとして、100人が読んでくだされば延べ500時間を、1000人が読んでくだされば延べ5000時間を、そして1万人が読んでくだされば延べ5万時間もの時間を独占、奪うことになる。

メディアが多様化し、興味も多様化する現在、限りある時間をどう取っていただくか。作り手としては、大変なチャレンジなのである。


 
   
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