2005.03.17    極めたら破壊する   荒井 久
 
 
昨日、「良」の否定と「悪」の肯定なんてかっこつけて書いたものの、話が上手く伝わらなかったかも知れない。要は天邪鬼の人間が「良」の中に「悪」を見つけようとして、あるいは「悪」の中に「良」を見つけようとしているのかも。

いや、もっと真剣なことかも知れません。例えば何か、「良」の完全系が達成したとき、人々はそれを崩そうとします。世の中に完全はなく、完全と言い出したとたんに人々はそれを「悪」と位置づけたいのかもしれない。「強烈な何かの支配」はそういうことかも知れません。「良」と思っても、やはり「一種のあか」がたまるのでしょう。

そういえばその昔、野中郁次郎先生に、「学び、極めて、破壊する」の循環が、新しい価値を創造していくというお話を伺いました。まずは先輩、先人の技術を学んで、それを極めるところまで磨きをかけて達人となる。その上で、その自分を破壊して次のものを創造することが、人類の大いなる進歩であると。

もしかして、本当の達人は「極めること」と「破壊すること」を同時にこなす人ではないかと、そのとき感じた。極めたら破壊する。どこにも留まってはいけないのです。

さしずめ、大リーグの「イチロー」は、その達人ではないだろうか。

 
   
  ご意見ご感想はこちらまで。  
  <<back  


Copyright 2002-2006 SoRiQ Inc.All Rights Reserved