2006.01.21    「東京だけの雪」   荒井 久
 
 
「この雪だ。新幹線で行く手もあるけど、今日は中止しよう。春まで延期ということで」

午前7時。東京・築地。
大江戸線築地駅A1番出口で、降りしきる雪を眺めながら僕は幹事役のK君のケータイに留守電を入れた。昨夜遅くまで天候を心配して連絡を取り合っていたから、きっとまだ寝ているのだろう。

A1番出口のすぐ左は築地市場の正門入り口。目の前は、舞う雪でかすんで見える朝日新聞社と癌研。僕の左に竹井シェフ、右にはお手伝いに来たM君。

「やむなし。こんなときに無理をしても仕方ない」
僕は自分にそう言い聞かせた。
「せっかく来たのだから、美味しい朝食でもして帰りましょう」
竹井さんに案内役を頼むことにする。

やっぱり、築地の鮨。
「来てよかったね。美味しい」

と、そこにK君からケータイ電話。
「荒井さん、関東地方で雪が降っているのは埼玉以南の海沿いだけで、群馬、軽井沢はまったく降っていません。東京さえ抜けられれば、問題ないと思います」

そういえば、K君は地方の天気予報どころか、各高速道路のあちこちに設置されているカメラ画像をケータイでチェックできると、少し前に見せてくれていた。ケータイの威力だ。

えっ、本当?
隣にいたM君は、念のため群馬の実家に電話する。
「時々陽も射しているよ。雪なんかまったく降ってない」

よし。決行だ。
鮨屋をそうそうに引き上げて築地市場場内へ。
やっぱり、築地の活気はいい。ダイナミックな美が存在する。

残念ながら、いい型の鮟鱇は寸前で誰かの手に。きっと雪のせいだろう。こんなときに鮟鱇鍋はいい。

そこで、メジマグロと真鱈を確保。
「さあ、いざ」

写真左:東京・自宅のベランダにもこんなに雪
写真中:活きのいいメジマグロをゲット。軽井沢は雪もない
写真右:北海道からという巨大な真鱈もゲット

 
        
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