2004.07.07     「実社会にCPUが入り込む」ユビキタス社会   荒井 久
 
 
七夕のこの日、日経BP社主催の「IT Japan 2004」(7名のIT企業トップが語る――ビジネスを革新する新世代コンピューティング)に参加した。午前中に日立製作所、NEC、富士通の3社のトップが講演、いずれもユビキタス社会がテーマだった。

ブロードバンドやモバイル環境で世界で最も進んだ国となった日本は、何でも、いつでも、どこでもネットワークにつながるという「ユビキタス社会」の先進国になるチャンスでもある。3名のうち、わかりやすい講演で光ったのがNEC代表取締役副社長の矢野薫氏だった。社会がどのように変化し、それにどのようにNECが応えていくかが明快だった。

とりわけ、なるほどと思ったのが、「ユビキタス社会」の説得力。どちらかというと「バーチャル・リアリティの世界に人間が入っていく」というのが、これまでのIT社会の捉え方だったが、「ユビキタス社会」では実社会にCPUが入り込んでくるという。

携帯電話が通話からメール手段になり、さらに定期券になり、自動販売機の小銭になり、コンビニでの財布の代わりになろうとしている。まさにリアルな社会に溶け込みつつある。ネット社会に我々が入り込んで行くというイメージではなく、リアルの生活、社会にネットがまとわりついてきているイメージだ。そのことがすぐに脳裏に浮かんだ。

 
   
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