2005.11.16    「かなしいことは干物にして」   荒井 久
 
 
昨夜、単行本の執筆、リライトで中心的な役割を果たしてくれた井田道範氏、それに担当の坂本と、昔懐かしい神田司町で創業明治38年の居酒屋「みますや」で飲んだ。

感激したのは、「みますや」が20年前と何一つ変わっていなかったこと。店構えもスタッフの動きも、メニューも。値段も相変わらず庶民的。少し変わったと言えば、店主の頭髪ぐらい。年季が入ってきた。

もう一つ感激したのは、井田氏の発言。この頃、お互いの友人で悲しいことがあり、その話に及んだ時だ。僕が、早く悲しいことに別れを告げねばというような発言をすると、井田氏はどこかを見詰めながらポツリとこう言った。

「かなしいことは乾して干物にしなくてはね」。

 
   
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