2007.11.28    「美味しいクラッシックをいただいた夜」   荒井 久
 
 
サントリーホール(大) 1階  2列 18番
僕の席の5メートル真ん前にチェリスト堤剛
熱演で、息づかいまでが聞こえた。

堤さんを囲むチェコ・フィルハーモニー管弦楽団。
指揮はズデネク・マカル。

昨夜は昔の同僚・石塚君に誘われた。
東京・赤坂アークヒルズのサントリーホールへ。

凄くすごく、美味しいものをいただいた気分になった。
「歩いて5分のところに住んでいるのに、どうして来ないんですか。もったいない」と彼。
彼は、このために新幹線を使って御殿場からやってくるのだ。
「僕はこの音楽を聞くために生きている」とも。

彼が自宅の音響設備に凝る理由も良く分かった。
「限りなく、生の音に近づきたい」の一心だそうだ。
それで、耳も神経も研ぎ澄まされていく。

チェリストの堤さんは桐朋学園大学学長やサントリーホールの館長を務めながら。
しかも、現役ばりばり。

あまりの熱演に。
こちらに倒れこんだらどうしよう。
一瞬、そう思ったほどだ。

この日の演目はドヴォルザークの作品からいくつか。
お馴染みの作品もあった。

「やっぱり、チェコ・フィルは最高だね」
彼はそう言い残して、最終の新幹線に向かった。

 
   
  ご意見ご感想はこちらまで。  
  <<back  


Copyright 2002-2006 SoRiQ Inc.All Rights Reserved