2007.02.26    「言葉が見つからない」   荒井 久
 
 
いつも和やかな笑顔で、いかにもやさしそうなA子さん。
人柄がいいと周囲で評判という。

そのA子さん。実は生まれながらにして目が見えない。
つまり、生まれてから「光」を知らない。

ピアノの先生になりたかったそうだが、まだ夢を果たせていない。
今は、目の不自由な人向けの機材を販売するなどの業務に派遣されている。

その仕事の現場で、後天的に目が見えなくなった方と議論になることがあるという。
「あなたには私の気持ちがわからない」
そこで、お客さんである、そうした方から叱られてしまう。

最初から光を知らない人にはわからない苦しみ。
一度光を知っているからこその苦しみ、悲しみ。
そのことに想いが足りなかった。
A子さんはそう反省する。

僕はその話を聞いて。
なんと言ったらいいのか。
言葉が見つからない。

 
   
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